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膵がん




治療について




薬物療法:各薬剤の作用と特徴1-4)


細胞障害性抗がん剤

  • 主に細胞の分裂過程を障害することでがん細胞の増殖を抑える従来型の抗がん剤です。
    薬はがん細胞だけでなく細胞分裂が活発な正常細胞にも作用します。
  • 作用の仕方の違いによって様々な種類があります。1種類の薬を使う単独療法と、作用の仕方が異なる複数の薬を組み合わせる併用療法があり、それぞれ決められたスケジュールをもとに治療を進めます。
  • 薬は点滴で投与するものと、飲み薬(内服)によるものがあります。治療方法は、患者さんの体調や副作用などを考慮し、医師とよく相談したうえで決めていきます。

分子標的薬

  • がん細胞にある特定の分子(タンパク質)をターゲットに作用して、がん細胞の増殖を抑えるお薬です。チロシンキナーゼ阻害薬とPARP(パープ)阻害薬と呼ばれる2つの種類があります。
  • チロシンキナーゼ阻害薬のROS1/TRK(ロスワン/トラック)阻害薬とPARP阻害薬は、それぞれ特定の遺伝子変異の有無を調べる検査で「変異がある(陽性)」と診断された患者さんに使われます。

抗がん剤と併用して使われます。

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抗がん剤による一次治療を受けた人が二次治療以降に使われるお薬です。

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抗がん剤による一次治療を受けた人の維持療法、または二次治療以降の維持療法に使われます。


免疫チェックポイント阻害薬

  • がん細胞を直接攻撃するのではなく、がん細胞によって抑えられていた免疫細胞(T細胞)の働きを活性化させることで、間接的にがん細胞を攻撃するお薬です。点滴で投与します。
  • 治療の対象となる患者さん
    MSI(エムエスアイ)検査やがん遺伝子パネル検査で、マイクロサテライト不安定性が高い※1(MSI-High:エムエスアイハイ)と診断された患者さんに使われます※2。また、がん遺伝子パネル検査の結果、高い腫瘍遺伝子変異量※3(TMB-High:ティーエムビーハイ)と診断された患者さんにも使われます※2。MSI-High や TMB-High の膵がん患者さんの割合は、いずれも膵がん全体の 1.2% 4)であったと報告されています。

1. がん細胞のDNAにあるマイクロサテライトと呼ばれる場所で、DNAの複製ミスが積み重なっている状態をいいます。

2. 抗がん剤治療後に進行した患者さんに使われます。

※3. がん細胞がもっている遺伝子変異の量のことです。


  1. 日本膵臓学会編:患者・市民・医療者をつなぐ膵がん診療ガイドライン2019の解説, p126-129,132-135, 金原出版, 2020
  2. 国立がん研究センターがん情報サービス「膵臓がん」「薬物療法」(2023年4月現在)
  3. もっと知ってほしいすい臓がんのこと, p10-13, キャンサーネットジャパン, 2023
  4. Vanderwalde A et al. Cancer Med, 7, 746-756, 2018

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