検査・診断
検査と診断の流れ
膵がんと診断されて治療法が決まるまでには、多くの検査を必要とします。
最初に血液検査や腹部の超音波検査などのスクリーニング検査を行い、膵がんが疑われたら、造影CT、あるいは造影MRIによる画像検査に進みます。さらに詳しい状態を調べるため、内視鏡下で行う画像検査が加わることもあります。なかには、からだの負担が大きい検査もありますので、検査の目的や進め方について、担当の医師に聞いておくとよいでしょう。
診断確定までの検査の流れ※
実施する検査は患者さんの状態によっても異なります。
日本膵臓学会編:患者・市民・医療者をつなぐ膵がん診療ガイドライン2019の解説, p2, 金原出版, 2020 より作成
診断・治療に必要な検査の種類1,2)
血液検査(腫瘍マーカー・血中膵酵素)
腫瘍マーカーとは、がんが増殖してきたときに産出される物質をいいます。腫瘍マーカーは、治療の効果を確認するためにも使われます。
血中膵酵素は、膵臓から分泌される消化酵素です。膵がんによって膵液の通り道が狭くなると血液中の検査値が上昇することがあります。
腫瘍マーカー
CA19-9、CEA、DUPAN-2、Span-1 など
血中膵酵素
アミラーゼ、リパーゼ、エステラーゼ1
画像検査
膵がんの診断に欠かせない画像検査は「造影CT」または「造影MRI」です。
患者さんの状態によっては、がんがある部位(病変部)の確認と組織の採取が同時に行える専門性の高い検査※が追加されることがあります。
※超音波内視鏡検査(EUS)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)など
病理検査
がんの性質や悪性度などを調べる検査です。内視鏡検査などで採取した細胞や組織を、病理医が顕微鏡で詳しく調べます。病理検査は、今後の治療方針を決めるうえでもとても大切です。
1.日本膵臓学会編:患者・市民・医療者をつなぐ膵がん診療ガイドライン2019の解説, p16-17, 金原出版,2020
2.もっと知ってほしいすい臓がんのこと, p5, キャンサーネットジャパン, 2023
監修:古瀬 純司 先生
地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター 総長
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