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悪性黒色腫(メラノーマ)とは

メラノーマとは


メラノーマは、悪性黒色腫とも呼ばれ、皮膚の色素細胞(メラノサイト)やほくろの細胞(母斑細胞)ががん化したものです。
日本人のメラノーマの半数は手足と爪にできますが、手足以外の様々な部位に発症します。色素細胞は皮膚以外の眼や鼻のなか、口のなか、外陰部、肛門、腸管などの粘膜にも分布しているため、これらの部位にもメラノーマができることがあります。

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メラノーマは日本人には希ながんですが、患者さんは徐々に増えています。転移を起こすと治療が難しくなりますが、近年、メラノーマの治療は大きな進歩を遂げつつあります。

メラノーマの患者数と死亡数 1-4)

日本におけるメラノーマの罹患率は10万人あたり1~2人で、厚生労働省が実施した2014年の調査では、国内の患者数は約4,000人と報告されています。また、年齢別にみると60代~70代にピークがありますが、50代以下の若い世代にも発症します。死亡数は年間600~700人程度で、死亡率に男女差はありません。

メラノーマの原因

メラノーマは、白色人種での発生率が高いことが報告されており、紫外線が重要な原因であると考えられています。また、手足や爪などのメラノーマについては、摩擦や外傷など外からの刺激も危険因子のひとつと考えられています 5)

1)宇原久. 信州医誌 2016; 64(2): 63-73.
2)厚生労働省 平成26年患者調査
3)国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(2016年9月時点)
4)藤澤康弘ほか. Skin Cancer 2014; 29(2): 189-194.
5)Minagawa A, et al. N Engl J Med 2016; 374(24): 2404 – 2406.

メラノーマの特徴


早期のメラノーマの特徴

メラノーマの簡便な診断方法のひとつがABCDEルールです。A~Eの5つの特徴があてはまる場合にはメラノーマが疑われます。特に皮膚科を受診した方が良いポイントは、①思春期以後に気づいた黒~茶色のシミが数ヵ月以内に大きくなって6~7mmを超えてきたとき(鉛筆の断面を当ててはみ出すサイズ)、②成人以後に1本の指の爪に黒い線が入り、数ヵ月以内に数mm以上の幅になったり、爪のまわりの皮膚にもシミが出てきたような場合です。

メラノーマのABCDEルール 6)


A: Asymmetry
形が左右非対称性である


B: Border of irregularities
辺縁がギザギザして不整である。色のにじみ出しがある


C: Color variegation
色調が均一でない。色むらがある


D: Diameter greater than 6mm
長径が6mm以上である


E: Enlargement or evolution of color change, shape, or symptoms
大きさの拡大、色や形、症状の変化

国立がん研究センターがん情報サービス「悪性黒色腫」

6)Abbasi NR, et al. JAMA 2004; 292(22): 2771 – 2776.

A 非対称性の形

ギザギザ不規則な辺縁

色にむらがある

大きい(長径が6mm以上)

早期の段階ではほくろとの区別が非常に難しいのですが、少しでもおかしいと思われる場合は、自己判断せずに皮膚科専門医を受診することが、メラノーマの早期発見と早期治療のために重要です。

監修:宇原 久 先生
札幌医科大学医学部皮膚科学講座 教授


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