日々の暮らし
緩和ケアをもっと身近にしていきましょう。
つらさをやわらげることは、大切な治療のひとつ
痛みやつらさを抱えていると、悲観的になったり投げやりになったりします。治療とあわせて緩和ケアも受けながら、それらをやわらげていきましょう。漠然とした不安やココロの気がかりなどを、緩和ケア医と一緒に整理していくこともできます。主治医や家族に打ち明けにくいようなことを話せる人や本音を言える場を見つけておくことも大切です。
自宅でも受けられる緩和ケア
「通院や病院での待ち時間が負担」「家族と過ごす時間を大切にしたい」「ペットと一緒に過ごしたい」などと感じたときには、介護保険を利用して訪問診療(在宅緩和ケア)を受けることも選択肢のひとつです。訪問診療医や訪問看護師などが、地域の病院や、ケアマネジャーなどの介護職と連携しながら、あなたやご家族の日常を支えていきます。鎮痛薬などのお薬や在宅酸素療法などでつらさをやわらげていくことができますし、訪問診療医や訪問看護師などに自宅で困りごとなどを相談できるのは心強いでしょう。ご家族も、病院への付き添いの負担が減り、ゆとりを持ちながら共に過ごすことができます。
在宅緩和ケアを希望する場合には、主治医、がん相談支援センターや病院のソーシャルワーカーなどに、がん患者さんへの訪問診療・訪問看護経験が豊富な医療機関などを紹介してもらえるか相談してみましょう。
入院の場合は
入院中は、一般病棟で緩和ケアチームが専門的にかかわったり、緩和ケア病棟で専門のスタッフがかかわったりします。緩和ケア病棟への入院を希望する場合は、入院登録のための面談などが必要になったり、入院するまでに待機期間があったりします。通院している病院や地域によっては緩和ケア病棟のある病院が自宅の近くにない場合もありますので、早めに主治医にも相談しましょう。「緩和ケア病棟に入ったら退院できない」と思う方もいらっしゃいますが、体調を整えるために入院する方もいますし、症状が落ち着けば退院できます。
~緩和ケア病棟がある病院を探す〜
緩和ケア病棟での気づき
昨年1ヶ月ほど入院しました。理由は極度の貧血でしたが、当時、緩和ケア科の外来に通院していたため、同科の病棟に入ることになりました。その病院では、個室が1日プラス2万円とのことで、相部屋に。しかし、隣のベッドの患者さんの苦しまれる声が聞こえてきて、なかなか慣れることができませんでした。緩和ケア病棟というのは穏やかな時間を得るために入るもので、全て個室と思い込んでいましたから、この相部屋体験はショックでした。