TMB-High固形がんとは
遺伝子変異と発がん
がんは遺伝子の変異等により発生すると考えられています。
遺伝子変異の原因は、加齢やたばこ等の生活習慣、紫外線等の環境要因等さまざまです。
本来、これらの遺伝子変異は修復され、元通りになりますが、遺伝子変異が修復されずに増えていくことによって、細胞が正しく働かなくなり、がんが発生すると考えられています。
※がんの発生については、以下の同サイト(がんを生きる)内のがん種共通情報
「がんのお話:がんとは?」も併せてご覧ください。
https://www.msdoncology.jp/about_cancer/
TMB-High固形がん
TMBとTMB-High固形がん
TMB*(腫瘍遺伝子変異量)とは、がん細胞のもっている遺伝子変異の量のことです1)。
TMBの値は、がん種により、また同じがん種でも個々のがんにより、高いものから低いものまでさまざまです。
TMBの値が高い固形がんをTMB-High固形がんといいます。
*TMB:Tumor Mutation Burden
1.千田圭悟 他, 病理と臨床 2020; 38: 402-407
TMB-High固形がんが報告されている主ながん
TMB-High固形がんは、皮膚や肺、膀胱、子宮等、さまざまな臓器のがんで報告されています。
TMB-High固形がんの割合
TMB-High固形がんの割合が高い上位30種の固形がんにおいて、TMB-High固形がんは約10-60%に存在するという報告があります。
TMB-Highかどうかは、TMBの検査(がん遺伝子パネル検査)によって調べることができます。
がん種別のTMB-High固形がんの割合(海外データ)
【対象・方法】
FoundationOne® CDx(F1CDx)によりTMBを測定した104,814例の固形がんについて、TMB-High(TMB≧10mutations/megabase)の割合が高かった上位30位のがん種(少なくとも100例以上の症例を対象とした)を示した。
Chan TA et al. Ann Oncol 2019; 30: 44-56
著者にMSD社から講演料などを受領している者が含まれる
監修:西尾 和人 先生
近畿大学 医学部 ゲノム生物学教室 主任教授
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